設計者・部品選定者なら知っておきたい 【棚受け金具】の基礎知識
設計者・部品選定者なら知っておきたい
【棚受け金具】の基礎知識
空間を有効活用できる壁面収納を作るのに欠かせない棚受け金具。
壁面を利用したウォールシェルフや飾り棚、折り畳める作業机やバタフライテーブルなど、さまざまなシチュエーションと目的に合わせた棚受け金具の選び方のポイントや基礎知識をご紹介します。
このページの内容
棚受け金具・ブラケットとは?
棚受け金具とは、壁やキャビネットなどに棚板を取り付ける際に使用する金具のことです。
ウォールシェルフや飾り棚、折りたためるワークスペースなど、空間を有効活用できる壁面収納に最適な金物のひとつです。ブラケットや棚受け金物とも呼ばれます。
作りたい棚の用途や、設置する場所やシチュエーションによってさまざまなデザイン・機能の棚受けから最適なものをお選びいただけます。
デザイン性が高い・目立たない棚受けで見せる収納棚をつくる
住宅の飾り棚や店舗のウォールディスプレイなど、頻繁に使うものやインテリアとして見せたいものを収納する「見せる収納棚」。
デザインにこだわった棚受けや、棚受け自体が全く見えない棚をつくることができる隠し棚受けによって、空間を演出することができます。
折りたたみ棚受けで一時的なワークスペースや作業台をつくる
家事、デスクワーク、調理のための作業台など、一時的に必要なスペースを作るには、折りたたみ棚受けが最適です。
使用していない時には簡単に折りたためるので、空間を有効活用できます。
デスク使用時
折りたたみ収納時
棚受けの種類
見せる収納棚に最適な棚受け
木用の棚受・ブラケット・アングル
L型ブラケット
L型ブラケットとは、見た目がL字型の一般的な棚受け金具です。L字アングルとも呼ばれます。
壁面に棚板を取り付ける際に使用します。
壁面側の辺が短いため目立ちにくいタイプや、角がたったデザインのため壁と棚板に隙間なくピッタリ取り付けられるタイプもあります。また、素材や色もインテリアや空間に合わせてお選びいただけます。
シンプルなデザインながら、深絞り成形と補強板によって強度も十分、サイズも豊富なBT型、BTK型。
スタンダード&ロングセラー製品です。
BT型はステンレス鋼製で耐食性に優れ、BTK型は鋼製でホワイト・ブラック・アンバーの3色からお選びいただけます。
高さ寸法が棚受BT型、BTK型の半分以下で壁取付面が短くコンパクトな仕様のBTK-UB型。
棚受けが目立ちにくく、天板下のスペースをすっきりと有効活用できます。
トライアングル棚受
トライアングル棚受とは、三角形の特徴的なデザインの棚受け金具です。
最大耐荷重約100kgf/1ヶです。また、1ヶ使い可能なのでテーブル用にもご使用いただけます。
配線ケーブルを通せるため、テーブルにタブレットなどを置いてもすっきりとした見た目になります。
カウンター用支柱金物
カウンター用支柱金物とは、カウンターの天板や壁面に、追加の天板を設けることができる棚受け金具です。
支柱内に配線ケーブルを通せるので、キッチンの家電を置くスペースやタブレットなどの充電スペースにもおすすめです。
CTBシリーズ
ガラス専用棚受け
プレートサポート
シンプルでコンパクトなデザインのガラス専用棚受け金具です。
仕上げは艶のあるタイプと艶の無いタイプがございますので、インテリアやご使用用途に合わせてお選びいただけます。
一部の製品は強化ガラス棚板とセットでご注文いただけます。
※ガラスは強化ガラスを推奨いたします。
ガラス板にも木板にも使用できる棚受け
魅せる棚受け
シンプルなデザインやバロック調の華やかなデザインで空間とインテリアを演出します。
固定金具の位置を変えることで、板厚の異なるガラスや木板を固定できます。
※ガラスは強化ガラスを推奨いたします。
ワークスペース・作業台に最適な棚受け
狭小空間におすすめ!使用していないときは収納できる折りたたみ棚受け
ステンレス鋼製折りたたみ棚受 EB型
使わない時は折りたたんで収納できるため、住宅のキッチンや店舗などの通路が狭い場所でも空間を有効活用できます。テレワーク中など一時的にワークスペースが必要な時にもおすすめです。
高耐荷重で安心して使用でき、閉じた時に最後まで押し込むとキャッチが保持するため棚板がふらつきません。また、ヒンジが不要なため省施工です。
棚をゆっくり折り畳めるダンパー内蔵タイプ EB-DA型もあります。
4段階の角度(60°、70°、80°、90°)に保持できるEB-F型は、本やタブレット端末を置いたり、ディスプレイを見やすい角度に調整できます。
伸縮棚受 388型
バタフライキッチンカウンターや店舗のサブカウンターなど、一時的にスペースを広げたい場所におすすめな伸縮棚受けです。
EB型よりも奥行きのある棚を製作できます。
ヒンジ併用なので棚受けは1本でも使用可能で、幅が狭い棚にも使用できます。
ダンパー内蔵の388-D型は、棚をゆっくり折りたためるため安全に使用できます。
選び方のポイント
耐荷重(静荷重と動荷重について)
壁付棚を作る時は、棚に置くものの種類や重量がどの程度になるのかを想定し、棚受けを選ぶ必要があります。
その際に必要な製品の情報が耐荷重です。
当社の棚受け金具は右図のPの位置に鉛直方向に力を加えて耐荷重を試験しています。
耐荷重には大きく分けて静荷重と動荷重があり、棚の用途によって区別されます。
なお、一つの棚板に棚受けを複数個使用した場合でも、それぞれの棚受けに均等に荷重がかからない場合があるため、棚板全体の耐荷重は棚受け1本あたりの耐荷重を目安としてください。
静荷重
一定にかかる、変動しない荷重のこと。
例えば、机に1kgの本を置いて時間が経過しても、机にかかる荷重は変わらず1kgのままです。このような荷重を静荷重といいます。
当社製品の耐荷重は静荷重を指します。
収納やディスプレイが目的の場合は、静荷重です。
棚板と積載物の重さが、製品の耐荷重の値以下になるようにお選びください。
動荷重
変動的にかかる、一定でない荷重のこと。
例えば、机でものを書いたり、パソコンのキーボード打ったりすると、その動作や衝撃によって机にかかる荷重は変化します。このような荷重を動荷重といいます。
作業スペースとして棚を使用することが目的の場合は、動荷重です。
棚板と積載物の重さの他に、作業の動荷重が加わることを考慮して、カタログ記載の数値未満になるよう、耐荷重値が大きいタイプを検討する必要があります。
壁の強度
棚受けは壁にねじで固定するため、壁の強度もとても重要です。
壁面に取り付ける際には、芯材部分に取り付けることで強度を保つことができます。
棚受けの奥行き
棚受けの奥行きは、棚板の3/4以上で選ぶことを推奨しています。