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設計者・部品選定者なら知っておきたい【建具用引き戸金物】の基礎知識

設計者・部品選定者なら知っておきたい【建具引戸】の基礎知識

設計者・部品選定者なら知っておきたい
【建具用引き戸金物】の基礎知識

住宅の室内ドアやクローゼット、老健施設・店舗のドアなどさまざまな場所で使用される建具用の引戸金物。
種類や選び方などの基礎知識からユニークな引戸金物までご紹介します。

建具用の引き戸金物とは?

建具用引き戸金物とは、室内ドアの引き戸をスライドするためにドアや天井などに取り付ける部品です。
引き戸のドアは開閉するときに真横にスライドするため、開き戸のように扉が手前に出っ張らず、廊下やクローゼット扉の手前のスペースが狭い場所にもおすすめです。またドアを開けたままにしても、廊下側にドアが出っ張らず邪魔になりません。人が出入りする時もドアの動きに合わせて一度下がる必要がないため、車椅子に乗っている方にも優しくバリアフリーに対応しやすいドアのタイプと言えます。
また開き戸は一般的に幅900mm程度とすることが多いですが、引き戸金物は製品によっては1000mm以上にも対応でき、人が出入りする開口寸法を大きくとることができます。

車いすユーザーも子供も“すべての人”が使いやすい引き戸を実現した事例

近年ではハイドアと呼ばれる天井まで続く高い扉によって、開放感のあるすっきりとした空間をつくることがトレンドになっています。

ハイドア
一般的なドア(高さ2000mm)

建具用引き戸金物の種類

閉じた時の壁に対しての納まり フラットドア・一般的な引き戸・間仕切り引き戸

フラットドア

フラットドアの引戸とは、扉を閉じたときに扉と壁面がフラットになる引戸のことです。
扉が円弧を描くように開閉するタイプや、レールに沿ってスライドするように動くタイプなどがあります。
一見すると扉があるように見えないため、隠し扉や忍者屋敷のような遊び心のある間取りを実現できます。

玄関まわりをスッキリみせる、理想の隠し扉金物

一般的な引き戸

一般的な引き戸は、扉を閉じたときに扉と壁面に段差ができる引戸のことです。
屋内のさまざまなドアに使われています。弊社の一部の製品は屋外扉にも使用できます。

フラット間仕切り引き戸

フラット間仕切り引き戸とは、複数枚のパネルによって間口を仕切るものです。2枚以上の引き戸を使用して間仕切りを製作すると扉同士に段差ができますが、フラット間仕切り引き戸を使用すればパネルが一直線に納まります。

扉の材質 木扉・ガラス扉・アルミフレーム扉・スチールドア

木扉

ガラス扉

アルミフレーム+
ガラス・樹脂

スチールドア(SD)

ガラス扉には、シャワーブース用の引戸金物もあります。

上吊り式・下荷重

上吊り式

上吊り式の建具用引き戸金物とは、扉の上部に取り付けたローラーが天井に取り付けたレールの中を走行することで、扉が左右にスライドするタイプです。
床にレールや溝がなく、スッキリとした見た目になるだけでなく、ほこりも溜まりにくく掃除がしやすいことも特長です。

下荷重

下荷重の建具用引き戸金物とは、扉の下部に取り付けたローラーが床に取り付けたレールの中を走行することで、扉が左右にスライドするタイプです。
扉を開けた時に床にレールの溝が見え、上吊り式と異なりほこりがレールに溜まってしまいます。

弊社では上吊り式の製品をメインにラインアップしています。ここで上吊り式引き戸金物の構成部品をご紹介します。

※扉はお客様にてご用意ください

・ 上レール

天井に面付する場合と掘り込む場合があり、どちらにするかで使用するレールが異なります。掘り込み用レールには天井の加工面を隠すためのツバが下部についています。
またソフトクローズするかどうかによっても使用するレールが異なる場合があります。

・ 上ローラー・ソフトクローザー

扉の上部に取り付けて、このローラーが上レールの中を左右に移動します。
扉に対してローラーを掘り込むタイプと面付けするタイプがあります。

・ 下ガイド

扉を開閉した時に前後にふらつかないように、床または壁に振れ止めとなるガイドを取り付けます。扉の下部には、溝を掘るまたはガイドの受けとなるレールを設けます。
下ガイドは扉を開けても閉めても扉に隠れる位置に取り付けます。

その他、仕様によって上レールの中に取り付けるストッパーや扉をソフトクローズさせるトリガーなどが別途必要になる場合があります。

扉の動き ソフトクローズ

ソフトクローズとは扉が静かにゆっくりと閉まる・開く動きを指します。
ゆっくりした動きが高級感を演出でき、枠に扉が当たるバタンという音も軽減できます。また閉じ際のスピードが遅くなることで指挟みのリスクも軽減できます。

ソフトクローズはゆっくり動く方向によって、下記の2種類に分けられます。

デュアルソフトクローズ(双方向ソフトクローズ) シングルソフトクローズ(片方向ソフトクローズ)
扉が
閉まる方向にも開く方向にも
ゆっくり動く
扉が
閉まる方向のみ
ゆっくり動く

ソフトクローズ引戸は開け始めが重く感じることがあります。これは最後までしっかり扉が閉まるように閉じ方向に引き込むばねが使われており、開ける時はそのばねを引っ張る必要があるためです。

弊社のFDシリーズは引込機構の改良により開ける時の操作力が約30%軽くなった製品もラインアップしています。
軽い力で開けられて小さな子どもやご高齢の方も使いやすい点やソフトクローズ時の引き込む距離が長いため指挟みのリスクを軽減できる安全性などが評価され、2022年のキッズデザイン賞も受賞しました。

上吊式引戸 FDシリーズの詳細はこちら

FDシリーズを含めたキッズデザイン賞の受賞製品はこちら

また100kgの重い扉でも驚くほど軽く開けられる、マグネットソフトクローザー仕様の製品もあります。
ばねの引張力よりもマグネットの磁力の方が弱いことを応用して、開ける時の操作力を大幅に軽減しています。またばねが無いため、閉じ際の「カチッ」というキャッチ音がなく静かです。

︎マグネットソフトクローザー仕様の引き戸金物の詳細はこちら

扉の動き 自動閉止

自動閉止とは手を離すと扉がゆっくりと自動で閉まる動きを指します。
弊社の製品は、上レールを傾斜させて取り付ける仕様のため、電気などの動力が必要ありません。また扉は全開の位置で止まるため、ベビーカーや病院のベッドなども楽に通れます。

建具用引き戸の納まり

片引き・引き違い・引き分け・片引き2〜3枚

片引き

片引きとは扉が1枚の納まりです。

引き違い

引き違いとは2枚の扉が2列に並ぶ納まりです。
引き分けと異なり、開口部は間口から扉1枚分の幅を引いた長さになります。

引き分け

引き分けとは2枚の扉が一直線上に並ぶ納まりです。

片引き2枚・片引き3枚

片引きの扉が2枚・3枚ある納まりです。扉幅が狭い割に開口部が広く取れるため、間仕切りとして使用される場合もあります。

連動引き戸

引き分けと片引き2〜3枚の引き戸には、1枚目の扉を開けると他の扉も連動して開く連動タイプもあります。

引き分けであれば、左の扉を開けると右の扉も一緒に開きます(逆も同様です)。
片引き2枚・3枚であれば、1枚目の扉を開けると2枚目や3枚目の扉も一緒に開きます。扉が順番に動くタイプと同時に動くタイプがあります。

順番に動く
同時に動く

インセット・アウトセット

インセット

インセットとは一般的な建具用引き戸の納まりで、壁と同一線上(三方枠の内側)に扉が納まります。
上レールを天井に対して面付けにする施工と掘り込む施工があります。

アウトセット

アウトセットとは扉を壁に被さるよう取り付けた納まりで、壁に張り出すように取り付けた上レールに扉を吊り込みます。
扉の左右に縦枠がないことが多いため、戸先側にも戸尻側にも床に戸当たりが必要です。

上ローラーの取付方法

木扉・アルミフレーム 掘込・面付      ※イラストは木扉の場合です

掘込

上ローラーを扉の上部に掘り込んで取り付ける方法です。
上レールと扉の隙間を小さくできます。

面付

上ローラーを扉の上部に面付で取り付ける方法です。
上ローラーを掘り込むための加工が不要で、掘込と比べると上レールと扉の隙間が大きくなります。幕板で上ローラーなどの吊り金具を覆う製品もあります。

ガラス扉

挟み込み

上ローラーの下にあるブラケットにガラス扉を挟み込んで取り付けます。
ガラス扉に穴加工を行って挟み込む方法と、穴加工を行わずに挟み込む方法があります。

スチールドア(SD)

面付

上ローラーをスチールドアの上部に面付で取り付ける方法です。上ローラーを掘り込むための加工が不要です。

使用環境

住宅の引き戸と公共施設の引き戸では、公共施設の方が1日の開閉回数が多くなります。また一般的に引き戸の取り扱いも、住宅の方が丁寧になり、公共施設の方が荒くなると言われています。
このように住宅用と公共施設用では引き戸金物に求められる強度が異なります

住宅で使用することを想定して設計された引き戸金物を公共施設で使用すると、強度不足によるトラブルが発生することがあるので、製品選定の際には使用環境の確認も重要です。

ユニークな機能の建具用引き戸金物

ソフトクローズ戸袋引き戸でもメンテナンスが簡単な“戸袋対応”

戸袋とは開けた扉を収納するための箱状の壁のことです。開いた扉が壁の中に収まるため、スッキリした見た目になります。

従来の双方向にソフトクローズする引き戸では、扉が開く方向のソフトクローズが効かなくなった場合、メンテナンスで部品を取り出すために戸袋の壁を壊さなければなりませんでした。
壁を壊さなくても扉が開く方向のソフトクローズのメンテナンスが可能になったのが、弊社の戸袋対応引き戸金物です。メンテナンスを可能にした機構を2つご紹介します。

  • 戸袋対応の構造・対応製品開く

音のお困りごとを解決する“遮音引戸”

在宅ワーク時の家族の生活音、会社の会議室から廊下への音漏れ、病院の診察室から待合室へのプライバシー漏えいなど、身の回りにはさまざまな音にまつわる困りごとが存在しています。
近年ではスピーチプライバシーという、会話の内容が第三者に聞こえてしまうことを防ぐ考え方が注目されています。

引き戸の上下左右の隙間をシーリングなどでふさぐ遮音引き戸を使用すれば、従来の引き戸にありがちな音漏れ・光漏れのリスクを軽減できます。
※遮音レベルは、扉、壁、天井、床に遮音特性がある構成で達成できるものとなります。遮音性能は実使用と同じ条件でご確認ください。

遮音・遮光引戸はこちら

居室と浴室の出入口に最適な“耐湿引戸”

部品にステンレス鋼などを使用することで、耐食性をアップさせた引き戸金物です。高温多湿な環境での社内開閉試験をクリアしています。
※頻繁に水がかかる場所では使用できません。

耐湿引戸はこちら

掃除もしやすい“シャワーブース用引戸”

シャワーブースの出入り口を開き戸ではなく引き戸にすることで、狭いスペースも広々使えます。
ガラス壁仕様やコーナー仕様など、さまざまなシャワーブースに対応しています。

下ガイドの片側を倒してガラス扉を手前に傾けられるため、ガラス扉と固定ガラスの隙間が掃除しやすいです。

シャワーブース用引戸はこちら

建具用引き戸金物の選び方

ラインアップが豊富な建具用引き戸金物ですが、下記の仕様を決めることで最適な製品をお選びいただけます。

  • 1
    閉じた時の壁に対しての納まり:フラットドア / 一般的な引き戸 /フラット間仕切り引き戸
  • 2
    使用環境:一般住宅 / ホテル・店舗・オフィス / 老健施設 / 公共施設・病院 / 多目的トイレ
  • 3
    扉の材質:木 / ガラス / アルミフレーム / スチール
  • 4
    扉のサイズ:扉幅・高さ・厚さ
  • 5
    扉の重量:30kgなど
    もし設計時点で重さが分からない場合は、材料からおおよその重さが計算できる 扉質量 計算ツール もあります。
  • 6
    扉の納まり:片引き / 引き違い / 引き分け / 片引き2枚 / 片引き3枚
  • 7
    扉の納まり:インセット / アウトセット
  • 8
    荷重方式:上吊り式 / 下荷重
  • 9
    上ローラーの取付方法:掘込 / 面付 / 挟み込み
  • 10
    動き:ソフトクローズ / 自動閉止

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