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設計者・部品選定者なら知っておきたい【キャッチ・ラッチ】の基礎知識

設計者・部品選定者なら知っておきたい【キャッチ・ラッチ】の基礎知識

設計者・部品選定者なら知っておきたい
【キャッチ・ラッチ】の基礎知識

家具の扉や装置の蓋などさまざまな場所で使用されるキャッチ・ラッチ。
基礎知識から種類、操作性アップのためのポイントなどをご紹介します。

キャッチとは?ラッチとは?

キャッチとラッチどちらも扉や蓋が勝手に開かないように閉まった状態を保持するものですが、下記のような違いがあります。

キャッチとは引っ張れば外れるもので、磁石の吸着力で保持するものやばねとボールで保持するものなどがあります。

ラッチとは「掛け金」を意味する英語(Latch)で、普段は閉まった状態を保持して、受け座に引っかけた掛け金を外すと扉や蓋を開けられるものです。扉を押したりラッチをつまんだりすることで掛け金を外すことができます。
また、動画のようなプッシュ機能付きを選ぶと扉が開く方向に力が加わるため、開ける動きを補助してくれ、ハンドルレス・つまみレスの扉にできます。

保持力・吸着力・引張力とは?

キャッチやラッチの保持力・吸着力・引張力とは、扉や蓋が閉まった状態を保持する力です。例えば吸着力が「3kgf」のマグネットキャッチの場合、3kgf未満の力で引っ張ってもキャッチ本体が受け座から離れず扉が開かないことを表します(受け座側の条件によって異なることもあります)。
サイズの大きい扉を保持するには保持力・吸着力・引張力が大きいキャッチやラッチが必要です。一方、サイズの小さい扉には保持力・吸着力・引張力が小さいキャッチやラッチを採用することで扉を開ける際に操作しやすくできます。
またそのほか個々の製品についての操作性アップのポイントは後ほどご紹介します。

FAQ・よくあるご質問:kgとkgfの違い

キャッチの種類や選び方

マグネットキャッチとは?

マグネットキャッチ 取付面に対して吸着面が平行なタイプ、垂直なタイプ、どちらにも取付できるタイプがあり、家具や筐体の状況に合わせて選べます。

マグネットキャッチとは、磁石の力を利用して扉が閉まった状態を保持するものです。キャビネットと扉にそれぞれマグネットと受け座を取り付けて使用します。他のキャッチと比べて、保持するための機構が不要なためコンパクトです。
取付面に対して吸着面が平行なタイプ、垂直なタイプ、どちらにも取付できるタイプがあり、家具や筐体の状況に合わせて選べます。

MC-158、MC-159

MC-158、MC-159

厚みわずか3mm弱の極薄型マグネットキャッチです。幅もコンパクトで家具などの小口面にも納まるため、収納の邪魔になりません。
また、スタッド付で裏からナットで取り付けできるタイプもあります。

MC-159-STD型

クリーンマグネットキャッチ MC-JM45型

クリーンマグネットキャッチ MC-JM45型

樹脂で包んでいるため、金属の本体と受け座では吸着を繰り返すと衝撃でわずかに発生する金属粉を防ぐことができます。
クリーンルームにおすすめです。

マグネットキャッチ 一覧(家具・建築用) マグネットキャッチ 一覧(産業機器用)
Point : マグネットキャッチ 受け座の選び方

Point : 受け座の選び方
受け座が小さいと十分な吸着力が発揮されないことがあります。イラストのような受け座をお選びください。
板金の場合は受け座を使用しないことも多いと思いますが、同様にはみ出さないようにしてください。

ボールキャッチとは?

ボールキャッチとは、ばねで押し出されている2つのボールの間に受け座が挟まることで扉が閉まった状態を保持するものです。
平行・垂直どちらの向きでもキャッチできます。

BCTS-85J

BCTS-85J

引張力の調整が可能なステンレス製のボールキャッチです。
画像右下のオス部品が左右に可動するため多少の位置ずれも吸収できます。

ボールキャッチ 一覧(家具・建築用) ボールキャッチ 一覧(産業機器用)

樹脂製キャッチとは?

樹脂製キャッチとは、本体が受け座をくわえこむことで扉が閉まった状態を保持するもので、錆びないため水回りなどにも使用できます。ローラーによってくわえこむタイプとクリップでくわえこむタイプがあります。他のキャッチと比べてコストを抑えられます。

ロータリーキャッチ RC690型

ロータリーキャッチ RC690型

ローラーによってくわえこむタイプです。

ジュラコンキャッチ JC-24型、JC-26

ジュラコンキャッチ JC-24型、JC-26

クリップによってくわえこむタイプです。

※ジュラコンはポリプラスチックス社の登録商標です。

樹脂製キャッチ 一覧(家具・建築用) 樹脂製キャッチ 一覧(産業機器用)

ラッチの種類や選び方

プッシュラッチとは?

プッシュラッチとは、扉が閉まった状態を保持するもので、動画のように扉を押すことでラッチが解除され扉が押し出されるように開きます。
プッシュだけで扉の開閉ができるため、ハンドルレス・つまみレスの扉にできます。
扉ではなくラッチのつまみ部分を押すことでラッチが解除されるタイプもあります。

MC-37F型

MC-37F型

クワガタラッチとも呼ばれている定番のプッシュラッチです。
画像右下の受け座が可動するため多少の位置ずれも吸収できます。開閉試験もクリアし、耐久性にも優れています。

ESN-195/BLK

ESN-195/BLK

小型ながら高保持力のプッシュラッチです。
自開式スプリングとダンパー付のヒンジと併用することで図のように、セルフ&ソフトオープンの動きを実現し、蓋を開ける操作そのものも不要にすることができます。

自開式スプリングとダンパー付のヒンジと併用することで図のように、セルフ&ソフトオープンの動きを実現し、蓋を開ける操作そのものも不要にすることができます。
プッシュラッチ 一覧(家具・建築用) プッシュラッチ 一覧(産業機器用)

マグネラッチ(マグネットラッチ)とは?

マグネラッチ(マグネットラッチ)とは、磁石の力を利用して扉が閉まった状態を保持するもので、動画のように扉を押すことでラッチが解除され扉が押し出されるように開きます。
プッシュだけで扉の開閉ができるため、ハンドルレス・つまみレスの扉にできます。

ML-120型

ML-120型

ストロークが大きく、大型扉にもおすすめのマグネラッチです。
MLシリーズは他にも80や30などストロークの短いタイプもあります。

IT5700型

IT5700型

キャビネットのデザインを邪魔しないスリムなラッチです。面付はもちろん埋込でも使用できます。
マグネットがないタイプもあります。(キャッチ付丁番と併用)

マグネラッチ 一覧(家具・建築用) マグネラッチ 一覧(産業機器用)

Point : 重い扉・厚い扉の操作性を良くするには?

  • 1
    押出力が大きいマグネラッチを選びましょう。
    押出力とは「ラッチが飛び出す力」のことです。重い扉の場合は、しっかりと押し出してくれるラッチを選ぶことで、操作性の良い扉にできます。
  • 2
    ストローク量が長いマグネラッチを選びましょう。
    ストローク量とは「ラッチが飛び出す長さ」のことです。厚い扉の場合は、しっかりと手前に飛び出てくるラッチを選ぶことで、操作性の良い扉にできます。

安全金具シリーズとは?

安全金具シリーズとは、レバーをつまみながら開く、ボタンを押しながら開く、などのワンアクションを行わないと扉が開かないラッチです。
耐震ラッチのような揺れを感知してラッチが掛かるものではありませんが、常にラッチが掛かっていることで収納物の不意な飛び出しを防ぎ、地震などの揺れへの対策としてご好評いただいています。

パネルラッチとは?

パネルラッチとは、扉が閉まった状態を保持するもので、動画のようにキーまたはレバー操作によってラッチが解除され扉を開けることができます。
キーを持っている作業員のみ開閉できるようにしたいメンテナンスパネルなどにおすすめです。

LC-PK32型、LC-PL32型

LC-PK32型、LC-PL32型

ワンタッチで取り付けできます。

パネルラッチ 一覧(産業機器用)

コンプレッションラッチとは?

コンプレッションラッチとは、専用キーなどで90°回すとカムが回転して扉をロックし、さらに90°回すとカムが手前に動き、扉を内部の板金に締め付け、高い密閉性が保てるものです。
震動によるがたつきをなくせるので、衝撃や震動による想定外の開錠を防止します。

コンプレッションラッチとは?
248-91型

248-91型

鍵穴の形状が国際鉄道連合(UIC)の規格に準拠したコニカルスクエアー仕様と、2サイズのタブルビット仕様があります。

448-90型

448-90型

コンパクトで指で操作できるタイプです。

コンプレッションラッチ 一覧(産業機器用)

ラッチハンドルとは?

ラッチハンドルとは、扉が閉まった状態を保持するもので、ハンドルを引くなどの操作をすることでラッチが解除され扉を開けることができます。

フラッシュラッチ LC-60型

フラッシュラッチ LC-60型

扉を閉めると自動的にラッチが掛かります。薄型のため、機器内部への出っ張りが気になりません。

ラッチハンドル 一覧(産業機器用)

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