トルクヒンジ(フリーストップ)
トルクヒンジとは開閉中の扉や蓋、カバーを任意の位置でピタっと止めるヒンジです。任意の位置でピタっと止まることを「フリーストップ機能」といい、フリーストップヒンジと呼ばれることもあります。
トルクヒンジは、トルク値の高低から、形状、仕様や機能など多種多様です。選び方でお困りの方はこちら
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トルクヒンジの選び方
選定のポイント
トルクヒンジの選び方選定のポイントトルクヒンジを選ぶポイントとして、形状や機能のほかに、製作する扉や蓋、カバーの〈モーメント〉が挙げられます(以下、扉モーメント)。
フリーストップを機能させるには、「トルクヒンジのトルクが、最大扉モーメントより高い」という条件が前提となるためです。
トルクヒンジを複数使用する場合は、トルク値×使用個数=「ヒンジのトルク値」という考え方になります。トルクステーの場合も同様です。
なお、選定の際はトルクヒンジのもつトルク値のバラつき(許容差)も考慮する必要があります。例えば±20%の許容差がある場合、−20%の下限値よりも蓋・扉の最大モーメントが下回っていなければ、フリーストップしない場合があります。
扉のモーメント・最適な製品を求めるには
モーメントは、「ある点を中心に回転させようとする力の作用」です。物体の〈重心〉と〈質量〉によって計算できます。ただしL字型など、形状が均一ではない扉・蓋の場合、単純形状に分割して、部分ごとに重心位置を計算し、その合計で全体の重心を求める必要があります。重心やモーメントの詳しい計算式はこちら
選定時間削減のためにスガツネ工業では簡単に「扉の最大モーメント」と「使用できる製品」がわかる「選定ツール さスガくん」を公開しています。
蓋の開き方や重心位置・質量から簡単に選定できる誰でもご利用いただけるWEBサービスです。ぜひご利用ください。
蓋・扉のモーメント
最小ヒンジトルク
ヒンジトルク(最小〜最大)
よくあるご質問 こんな課題でお困りのときは
Q : 扉や蓋を閉じたとき、 ヒンジを見えないようにしたい。
- A : 裏蝶番タイプやインサートタイプであれば、蝶番が見えない納まりになります。
Q : 蓋を開ける時はスムーズに、 閉める時はフリーストップにしたい。
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A : ワンウェイトルクタイプなら、フリーストップは一方向のみに働きます。一方向のみトルクが発生(フリーストップ)し、逆方向はトルクが発生しないため、扉・蓋などをスムーズ・安全に操作できます。
Q : フリーストップすると 動きがカクカクしてしまう。
- A : REELL社の高性能トルクヒンジシリーズがおすすめです。 特殊技術(特許取得済み)により、静トルクと動トルクの差を10%以内という小さな範囲に抑え、動き出しから静止まで非常に滑らかな操作性を発揮します。また、クリップ構造により高品質・高耐久を実現し、この特性は2万回の開閉試験の後でもトルク値の変化を最小限に抑えます。
Q : 扉や蓋が浮いてしまい、ぴったり閉まらない。
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A : 閉まりきるところで、反動(スプリングバック)が起きないディテントタイプがおすすめです。キャッチ部品が不要なので、内部のデザインもすっきり仕上がります。
Q : モニターなど枠にヒンジを仕込みたい。
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A : 特殊形状タイプをお選びください。配線穴付きもご用意しています。
Q : 屋外、厨房、水周りなど 特殊な条件下で使いたい。
- A : 屋外使用可のタイプや耐熱・オールステンレスタイプが最適です。
Q : モニターやタブレットに使いたい。
- A : トルクヒンジなら、多軸・スイベルタイプ。VESA規格対応のモニターマウントヒンジもおすすめです。
Q : スペースが狭くて取り付かない。
- A : 小型のタイプでご検討ください。
Q : 後からトルクを調整したい。
- A : トルク調整機能付をお選びください。
Q : もともと使っているトルクヒンジよりトルク値が大きい/小さいものを探したい。
- A : 選び方ガイドをご参照ください。
プチ用語解説
許容差 | トルク値は、加工や気温、素材など種々の条件によってバラつきが出ます。そのバラつきの範囲を示した納入時の数値のことを示します。 |
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反動(スプリングバック) | 扉や蓋が閉まりきらず浮いてしまう(はね返り)現象。材質や圧力などの条件で変化します。 |
高耐久 | 主に2万回以上の開閉試験をクリアしたものを示します。 |