設計者・部品選定者なら知っておきたい 【ガラス丁番】の基礎知識
設計者・部品選定者なら知っておきたい
【ガラス丁番】の基礎知識
店舗のショーケースや住宅の家具・オフィスのガラスドアなどさまざまな場所で使用されるガラス丁番。
種類や選び方などの基礎知識から金物メーカースガツネならではのユニークなガラス丁番をご紹介します。
ガラス丁番とは?
ガラス丁番(ガラス蝶番・ガラスヒンジ)とは、ガラスの開き戸・開き扉に使用する部品です。側板や地板(床)などに取り付けたガラス丁番にガラス扉を挟み込むことで、丁番を軸にして開き戸が回転します。
家具の扉や店舗のショーケース、建具のガラスドアなどに使用されます。
家具のガラス扉
ショーケース
建具のガラスドア
バスルーム・シャワーブース
ガラス丁番の種類
通常型
[家具/ショーケース]
通常型のガラス丁番とは、扉が閉まった状態から、奥または手前側のどちらか片方に約90°開き、側板に取り付けます。
このような形状で小型の家具扉に使用するガラス丁番は、スカーレットヒンジとも言われています。
ピボット(軸吊)丁番
[家具/ショーケース]
ピボット丁番とは、扉の上下の端に取り付けるガラス丁番です。
軸吊丁番やPヒンジ、ピボットヒンジとも呼ばれます。
スライド丁番
[家具/ショーケース]
スライド丁番とは、家具(キャビネット等)の内側に取り付ける多軸の丁番です。専用のフェイスプレートと組み合わせることでガラス扉に使用できます。
隠し丁番
[家具/建具]
隠し丁番とは、扉を閉めると、表からは丁番が見えない丁番です。※
専用のフェイスプレートと組み合わせることでガラス扉に使用できます。
※ガラス扉の場合、扉を閉めたとき丁番は見えませんが、フェイスプレートが見えます。
グラビティー(自閉)
[建具/バスルーム・シャワーブース]
グラビティー丁番とは、扉の重量を利用して自閉するガラス丁番です。
トイレブースやシャワーブースでの使用が多く、使用場所にあわせて扉の開き方向を内開きか外開きかお選びいただけます。
自由丁番
[建具/バスルーム・シャワーブース]
自由丁番とは、扉が閉まった状態から手前と奥にそれぞれ約90°開くガラス丁番です。
フロアヒンジ
[建具]
フロアヒンジとは、床に埋め込んで取り付けるガラス丁番です。
上部コーナー金具などと組み合わせて使用します。
コーナー型丁番・
コーナー金具
[建具]
コーナー型丁番やコーナー金具とは、フロアヒンジと似ていますが、床に埋め込むセメントボックスの床埋込み施工が不要なためスピーディーに施工できるガラス丁番です。(床の加工はアンカーを打つだけ)
上部コーナー金具などと組み合わせて使用します。
ガラス扉の納まり
丁番によって扉の納まりが変わるため、どちらの納まりにしたいかによって使用するガラス丁番が変わります。
家具・ショーケースの場合
かぶせ
家具のかぶせ扉とは扉が側板の前に被さる仕様です。
インセット
家具のインセット扉とは扉が側板の内側に入る仕様です。
かぶせ扉専用・インセット扉専用の丁番が多いですが、一部の製品はかぶせ扉にもインセット扉にも対応できます。
建具の場合
インセット
建具のインセット扉とは扉が壁や枠の内側に入る仕様です。
ドアの前後に壁がある場合は左のように取付座が丁番の両側にあるもの、ドアの片側にのみ壁がある場合は右のように取付座が片側にあるものをお選びください。
ガラス壁とフラット
固定ガラスに対してドアがフラットに納まる仕様です。
機能・特長
キャッチ
キャッチ付きのガラス丁番は、丁番にバネがついているため、特定の角度から扉が自動で閉まります。また、扉が閉じた状態を保持します。主に家具用やショーケース用のガラス丁番に使用されています。
ソフトクローズ
ソフトクローズ機構付きのガラス丁番は、特定の角度から扉がゆっくり閉まります。主に建具用やバスルームのガラス丁番に使用されています。
ゼロポジション(閉止位置)
ゼロポジションとは、自由丁番などの扉が閉まった位置(0°の位置)のことです。
ゼロポジション調整機能付きの丁番は、扉の閉止位置を調整できる丁番のことで、製品の取付中だけでなく施工後にも調整ができるためメンテナンスもしやすくなります。
トータルコーディネート
ガラス丁番、天板ガラス受、シリンダーガラス錠を同じデザインで統一してトータルコーディネートできる製品もあります。
ガラス丁番の選び方
使用したいガラス扉の寸法・板厚・質量や丁番の取り付け位置などを入力するだけで、用途に合った最適な丁番を選定できる選定ツールがあります。
家具用から建具用まで、さまざまなガラス扉に使用するガラス丁番の選定が簡単に行えます。
※強化ガラス用の丁番もあります。ガラスの加工や詳細に関してはガラス専門業者様へご確認ください。